全部うそだと言って。
転びそうだなって思ったら、もしも早めに気づけたならストンってそこに座れるといいよね。
転びそうな人がいれば、ちょっと座ろうって言えたらいい。
座れば転ばない。
YouTubeのかなしい動画を観て泣いたよっていう人が、そのあらすじを話しながら泣いていた。
かなしくなってわたしも泣いた。
この人は、わたしと同じ間隔で言葉に詰まって、わたしと同じように泣くんだなぁと思った。
わたしもきっとこんな風だって。
その動画が、今 自分が直面している現実と少しだけリンクしていて。
かなしかった。
捨てる という行為はそれが何であってもかなしい。
わたしたちには両の手しかなくて、一度に考えられる事柄には限度がある。
時間だって限られているから、なにかを捨てないと別の何かを持てなかったり、大事にできなかったりする。
それはとても良いことだけれど、間違わないといいなって思う。
本当に捨てていいのか、次に手にしたものが、それを捨ててまで手にしたいものだったのか。
人は間違えるから。
こわいなぁって思うよ。
わたしもきっと間違える。
間違いだったと気付いたらすぐに戻ろうって未来の自分に言いたい。
すぐに戻ろう、戻ってそっと撫でて抱きたい。
壊れてしまっていたらごめんねって言おう。
それでも抱きしめて、もう離さないように。
今日は月が大きいよって誰かが言っていたよ。
夕食はふたりで食べた。
看護師さんが言っていたように、ひとりの時よりも少しだけ多く食べることができた。
唐揚げやひじきやサラダ、向かい合って食べるご飯の味、ひとりじゃない夕食の味。
12月6日。