2019-01-01から1年間の記事一覧

旅。

この場所があること忘れてるでしょと言われた。 そっか。忘れてると思われるのかって思った。 前回の記事が四月。 四月に書く前は一月。 一月に書く前は十月なの。 まるで長い旅をしていてたまに帰る家のようなここ。 だいたい旅先で傷ついて泣きながら帰る…

ほらもうこんなにも夕焼け。

嘘八百の八百は 江戸の町数や大阪の橋の数、8は数が多いという意味があったから。 じゃあ例えば八百が、例えではなく本当に数字の八百だった場合、人は何年生きれば嘘を八百付くんだろうと考えた。 小さな嘘から大きな嘘まで、わたしはこんなに体が大きくな…

ゴールはどうせ醜いものさ。

ずっと同じ曲を聴いた 繰り返し繰り返し聴いているのに歌詞を全く覚えられなかった 吐き気がすごい 目が回る あなたがおかしいんじゃない この世の中がおかしいのよ あなたは悪くない と言われたい 桟橋で鳴くうみねこなんて見てないし 誕生日に杏は咲かなか…

赤く燃えたつ太陽に。

羽が溶けてしまってわたしもイカロスみたいに墜落した。 もともと背中に生えた本物の羽ではなかったから。 取り繕って必死に作った、びっくりするほどなハリボテだったのかもしれない。 まだ墜落したまま。 また飛ぶには0から羽を作らないと。 それができな…

112。

わたしが部屋にこもっている間に外の世界ではいろんなことが起きて、みんなあっという間に先に進んでゆくのだろうなと思うと、それが怖いのにどこか安堵していたことを思い出す。 もうここからでは追いつけないし、まずここから出ることがわたしはできない。…

ヒバリ。

–傷つくことを恐れている間に −飛べる翼も腐って落ちた 五階から眺めるくすんだ白色の空を見ていた。 どこかのやけに長い煙突から吹き出す煙はゆったりと左斜め上に登って、薄くなって溶けた。 わたしはいつもコンプレックスや劣等感に潰されそうになって、…