四重奏。

 

愛ってなんなんだって嫌になっておでんを食べながら泣いた。

くそうって思いながら、でもどこかで「ひとしきり泣いたら元気になれる すっきりするんだから」って冷静に頭が働いて。

嗚咽でくるしくって、でもおでんは美味しい味に出来上がっていた。

厚めに切った大根にも味がしっかり染みていて、

味を染み込ませるために入れた切れ目に、人の心も同じだと気づいておかしくなった。

おでんの大根と人の心は同じ。

おかしい。

大根のような心。

 

傷ついた心に降り注がれたあれこれは、そうではない心よりもたくさんものが染み込むのだ。

 

 

ひとしきり泣いたらスッキリした。

ほらね、涙は流すべき。

何かのきっかけで決壊したダムは、関係ないはずだった他のいろいろなものも流してゆくんだから。

大丈夫。大丈夫、

 

それから作業をして少しダンスもして、少しお話をして、終える一日。

 

カルテットで、

「泣きながらご飯食べたことある人は、生きていけます」

っていうセリフがある。

 

わたしは生きていける。